このページでは必勝や合格などを祈願するだるまが生まれたルーツやその意味を詳しく解説します。
目次
だるまのモデル「達磨大師」とはどんな人物か
だるまのモデルとなったのは禅宗を開いた達磨大師(だるまたいし)といわれています。
達磨大師はインド出身の仏教僧で、中国に渡り禅宗を開きました。
「ダルマ」はサンスクリット語で「法」を意味する言葉。
達磨大師は鋭い眼光に太い眉毛、髭をたくわえたワイルドな姿で描かれることが多いです。
達磨大師が残したエピソードでよく知られているのが、壁に向かって9年間座禅を組み続け悟りを開いたという「面壁九年(めんべきくねん)」。
現在のだるまが顔だけで手足がないのも、この面壁九年の修業の際に手足が腐って朽ち果ててしまったためだとも言われています。
それだけ苦しい修行を耐え抜いて悟りを開いたのが達磨大師です。
中国で開かれた禅宗が鎌倉時代に日本へと伝播されて以来、達磨大師は日本でも禅宗の開祖として信仰を集めてきました。
だるまはなぜ赤いのか
現在ではカラフルなだるまをたくさん見かけますが、だるまといえば赤色が基本です。赤色は魔除けの意味があり、さらに疱瘡(ほうそう)除けの力があるとされてきた色でした。
疱瘡は天然痘とも呼ばれる天然痘ウイルスがもたらす感染症で、有史以来世界各地でしばしば流行し、致死率も非常に高い病気であったため、恐れられてきた病。
医学が発達していなかった当時は、だるまに願掛けをし、病から見を守ろうとしていたんです。
だるまがもたらすご利益
だるまには上記の通り、魔除け、疱瘡除けの意味が込められていたほか、達磨大師自身が手足が朽ち果ててもなお厳しい修行に耐え、悟りを開いた姿から「七転八倒」のメージが定着し、豊作・大漁・商売繁盛、そして選挙や合格祈願など、様々な願掛けをする縁起物として大変喜ばれるようになりました。
また、達磨大師に祈願をすると目の病気にならないともいわれ、目を守る縁起物としても普及していきました。
その名残から、現在のように祈願がかなった際にもう一方の目を入れる習わしが定着したとされています。
最初に目を入れるのは左目(向かって右側)から。その理由は陰陽道において左が陽、右が陰とされていることに由来しています。
だるまの産地や種類
だるまは全国津々浦々様々な場所で作られています。産地によってデザインや材質、形などが異なります。
主な産地には以下のようなものがあります
- 松川だるま(仙台市とその近郊)
- 高崎だるま(群馬県高崎市)
- 白河だるま(福島県白河市)
- 越谷だるま(埼玉県越谷市)
- 東京だるま・多摩だるま(主に多摩地域)
- 相州だるま(神奈川県平塚市)
- 鈴川だるま(静岡県富士市)
- 姫だるま(愛媛県)
- 五色願かけだるま(静岡県伊豆市・土肥達磨寺)
- 豊の姫だるま(大分県大分市宗方地区)
- 三原だるま(広島県三原市)
中でも群馬県高崎市は全国のだるま生産シェア80%を占める一大産地となっていて、私たちがよく目にする馴染み深いだるまは、この高崎だるまである場合がほとんどです。
冬場に空気が乾燥して強い風が吹くこの地方の気候がだるまづくりに適しており、農家の冬場の副業として盛んに行なわれてきました。
高崎だるまにあしらわれた立派な眉毛とヒゲは、それぞれ「鶴と亀」をモチーフとして描かれていることから、「縁起だるま」「福だるま」とも呼ばれる縁起物として親しまれ、平成5年には群馬県ふるさと伝統工芸品にも指定されています。
赤以外のだるまにはどんな意味がある?
現在では赤いだるま以外にもカラフルなだるまが販売されています。それぞれに異なるご利益があります。
白色のだるま・・・財運・人間関係上昇。北に置くと良い
黒色のだるま・・・出世運上昇。東に置くと良い
緑色のだるま・・・健康運上昇。南に置くと良い
黄色のだるま・・・金運上昇。西に置くと良い。
祈願の内容に応じてそれぞれの方角にだるまを置くと願いが叶うそう。ミニチュアサイズの小さなだるまならインテリアにも良いですね。
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