片喰(かたばみ)とは?家紋でもおなじみの縁起の良い植物

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かたばみとは?

どこにでも見られる雑草の一種です。地下に球根を持って、さらにその下に大根のような根を下ろしています。匍匐茎をよく伸ばし、地表に広がります。このため、繁殖が早く、しかも根が深いので駆除しようとすると中々大変な雑草なんです。

葉は、ハート型の3枚が尖った先端を寄せ合わせた形で、マメ科のクローバー(シロツメクサなど)とよく間違われます。クローバーは葉の形状が丸く白い線があり、全く異なる植物なんですが、ロゴマークなどで葉の形状を誤解してハート型で描くことでクローバーのつもりでかたばみになっていることがよくあります。みなさんがクローバーと思って書く絵はかたばみだったということです。「ももいろクローバーZ」のロゴなどもそうです。クローバー同様、カタバミにも四葉、六葉といった多葉変異体が発生します。

かたばみは酢漿草(サクショウソウ)という生薬名であり、消炎、解毒、下痢止めなどの作用があるとされています。臨床実験で肝炎にも効果があったとの報告もあります。民間療法で絞り汁は虫さされに効果があるともいわれています。

かたばみの花言葉は?

全般には「喜び」、「母の優しさ」、「輝く心」
西洋では「joy(喜び)」(英)、「maternal tenderness(母のやさしさ)」(英)「maternal love(母性愛)」英)「delight(歓喜)」英)「joie(喜び)」(仏)

咲き始めの時期が「イースター(復活祭)」(キリスト教にとって最も重要なお祭り)とも重なるため、イエス復活の喜びや聖母を連想するような花言葉が付きました。
花言葉だけでもなんかご利益ありそうですね。

なぜ、片喰(かたばみ)が縁起物なのか?

それは、繁殖力が強く、一度根付くと絶やすことが困難であることが、「(家が)絶えない」に通じ縁起が良いとされるのです。武家の間でも、家運隆盛・子孫繁栄の縁起担ぎとして家紋の図案として用いられてきました。五大紋の一つに数えられるほどです。

平安時代には車紋として使用された記録がありますし、戦国大名の長宗我部元親など土佐長宗我部家の「七つ酢漿草」や新陰流である上泉信綱の「酢漿草」、徳川氏譜代の酒井氏の「剣酢漿草」「丸に酢漿草」など、酢漿草紋を家紋とする戦国大名・武将も多いのです。江戸末期の豊後日田の儒学者である広瀬淡窓や大分県知事の広瀬勝貞などを輩出した商家廣瀬家も「丸に酢漿草」を用いていましたし、あの田中角栄の家紋も「剣片喰」です。

「片喰」の紋は、ハート型の葉が3つ描かれます。それを、丸や剣、蔓などを加えることによりいくつかの家紋となっています。

中でも七本の葉をあしらった「七つ酢漿草紋」は、戦国武将、長宗我部部元親(ちょうそかべもとちか)の家紋として有名です。

キリスト教でも縁起物

かたばみの仲間やクローバーの仲間やなど、三つ葉の植物を、英語で
「シャムロック(shamrock)」といいます。
これは、キリスト教の多くの流派で中心的な教えのひとつとなっている「三位一体(さんみいったい)」という教義を象徴するものとされていて、雑草であっても、キリスト教文化の中では、とても神聖で特別な花なのです。

「コミヤマカタバミ」は、フランスやスペインでは、キリストを称える言葉「Alléluia(ハレルヤ)」(仏)「Aleluya(ハレルヤ)」(西)という別名でも呼ばれています。
磨くという心が「輝く心」にまた、古代女性が鏡をカタバミの葉で磨いたという言い伝えに因み、日々の心の研鑚を願う思いから、私立江戸川女子中学校・高等学校が校章のデザインにも採用されていますが、カタバミ属の葉や茎には、多くの水溶性シュウ酸塩が含まれるため、噛むと酸っぱいのです。他にも、クエン酸や酒石酸も含まれています。

この酸の作用を利用し、日本では昔から、鉄製の武具や真鍮の仏具、鏡などを磨くのにかたばみの葉を使っていたのです。
「輝く心」という花言葉は、金属をピカピカに磨き上げる葉に由来する花言葉だったのです。

このように、雑草扱いの「片喰」ですが、日本だけでなく、キリスト教の圏内でも縁起物で、秘めたるご利益があるようです。

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