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どちらも長寿のシンボル
鶴と亀はどちらも「長寿」の生き物です。もちろん千年も万年も生きる事はありませんが、鶴は20〜30年程度、亀はミドリガメで40年以上、中には100年以上生きるものもあります。
昔の人の平均寿命は今よりもずっと短かったとされていますから、これだけ長生きする鶴と亀は長寿の縁起物としてもてはやされたのも納得です。
鶴亀のルーツは中国
縁起物としての鶴と亀のモチーフは中国から伝わったものです。「鶴は千年」という言葉は、中国の漢の時代(紀元前130年頃)の書物『淮南子(えなんじ)-説林訓』に書かれた「鶴寿千歳、以極其游、蜉蝣朝生暮死、尽其楽」という一説から生まれたとされています。
意味は「鶴は千歳を寿命として、その遊びを終わらせ、蜉蝣(かげろう)は朝に生まれて暮に死ぬが、その楽しみを尽くす」となります。
亀については人間よりも長生きする個体があることに加え、神話にもたびたび登場します。
中国には不老不死の仙人が住む蓬莱山(ほうらいざん)という山があり、その仙人の使いが亀であったことから、長寿、不老不死のイメージが定着したと言われています。
中国神話に登場する巨大な亀、霊亀(れいき)は甲羅の上に蓬莱山を乗せた姿で描かれます。
こうした神話や故事によって作られたイメージが中国から日本へと伝来し、鶴亀は縁起物として定着したと考えられています。
次に縁起物としての鶴と亀、それぞれの意味を詳しく紹介します。
鶴には夫婦円満の意味も
鶴は長寿の縁起物であるのと同時に、「夫婦鶴(めおろづる)」という言葉もあるように夫婦円満のモチーフとしても知られています。
その理由は、鶴はつがいになると、死別しない限りその相手と一生添い遂げる鳥で、子育てにおいても両親が長い時間をかけて餌の撮り方や飛び方など、生きていくために必要なスキルを手取り足取り教えます。
まさに理想の夫婦と言えますね。このことから結婚式での飾り物やお祝いのスピーチなどにもよく登場する縁起物として知られています。
金運の縁起物としても知られる亀
亀のモチーフは長寿だけでなく、金運のお守りなどにもよく見る事のできるモチーフです。
クサガメなどの幼体は甲羅が丸く、江戸時代の銭に形が似ていた事から「ゼニガメ」と呼ばれた事や、昔のお金持ちはお金を瓶(カメ)に入れて保管していた事などから転じて亀は金運アップの縁起物として知られるようになりました。

ゼニガメ
また六角形の亀の甲羅の模様は「亀甲文様」として図案化され、織物の柄や家紋などによく使われます。
慶事の席には欠かせない鶴亀の意匠
どちらも長寿の生き物である事や、夫婦円満、金運上昇の縁起物として、めでたい席には欠かせない意匠である「鶴亀」。
街中でもよく見かける事があるので、見つけたらぜひこの記事の事を思い出してください!
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